ますたーです。こんにちは。
3月は繁忙でなかなか更新ができませんでした。
さて、今回はArduino自動化記事05 で紹介・実施した乱数調整色レイドの手順についての補足記事 です。具体的には、Arduino をどのタイミングで使うのか、に焦点を当てて執筆しました。一応、本記事だけでも読めるように書きますが、先に当該記事を一読しておくとスムーズです。
なお、Arduino Leonardoでの自動化環境の導入については、導入記事 を参考にしてください。
※本ブログに初めてお越しの方は「本ブログについて 」もぜひ、ご覧ください。
【!】本記事では乱数調整の内容を扱います。
概要
今回の記事では、レイド乱数調整の中で「Arduino Leonardoをどのタイミングで使うのか」を紹介 します。
詳細実際の作業手順は適宜 前回の記事(Arduno自動化05) で補ってください(途中途中にリンクも貼りますのでご安心ください)。
本記事のメインターゲットは「乱数調整は知っているけどArduino を使うというのがいまいちピンとこない人 」「前回記事を読んだけど、Arduino のコンパイル ?抜き差し?をどのタイミングでやればいいのかわからない人 」になります。
では目次です。補足記事なので、例のごとく分量多めです。順番に読んで頂くと抜け漏れが無いかと思いますが、各人、必要になる部分について、目次から飛んで読んでいただいても大丈夫です。
とりあえずお急ぎの方は【ここから本題】 まで読み飛ばすと良いと思います。
自動化で準備するハードウェア5つ(おさらい)
まずは、使用機材についておさらいです。必要なものは以下の通りです。
ひとまず、これらが揃っていることを確認ください。
実際に筆者が使っている機材については「番外編03:機材紹介記事 」をご参考ください)セットアップ手順は「Arduino自動化01:導入記事 」で紹介しています)。
筆者が使っている機材のイメージ。要するに上記5つで準備完了だ。
乱数調整に使うツール
続いて、使うツールの話です。
具体的には、乱数調整は「初期シード特定」「目標消費作業」の2ステップありますが、インストールするアプリケーションがいくつかあります。特に初期シード特定作業は有名なツールが2つあります。ここでは補足記事として両方紹介します。
初期シード特定は「1-Star Seed Search」「SW Seed Calculator」どちらもOK
様々なブログ記事や動画などで紹介されている乱数調整(初期シードの特定)を行うツールとしては、さびたコイル氏による「1-Star Seed Search 」と、ぼんじり氏による「SW Seed Calculator 」の2つが特に有名だと思います。
どちらも、初期シードの推定ができるツールとして優れており、筆者は両方とも使っています。どちらのツールも大変素晴らしいと思います。
「SW Seed Calculator」は初期シード特定に特化
一応、前回の記事(Arduino自動化05) では、1-Star Seed Search を使っていますが、これは乱数調整の記事を扱う上で、「初期シード特定」と「目的の消費数の特定」の作業が同じツールで完結するため、説明しやすかったことが理由です。
一方で、ぼんじり氏が提供する「SW Seed Calculator 」は、その次のステップ(目的の消費数の特定作業)には別のツール(夜網氏が提供する「8densearch 」など)を使う必要があるため、乱数調整の流れを理解していない人には少し説明がしにくいです。
ただし、「初期シード特定」に限定するなら「SW Seed Calculator 」はすごく使いやすくしかも高速で、エラーも少ないため個人的には大変おすすめです 。特に、6日目検索ができるため初期シード特定の精度も高く 、セットアップの煩雑さや別ツール連携の手間をいとわないのであれば、ぜひとも使っていきたいと感じます。
本記事や様々な記事で「乱数調整の全体の流れ」がわかってから使うと驚くほど使いやすいと思いますし、もし、前回の記事(Arduino自動化05) で初期シード特定につまづいているなら、試してみても良いかもしれません。
「1-Star Seed Search」「SW Seed Calculator」はどちらも初期シード特定ができる。 大きな違いはポケモン を捕まえる回数だ
乱数調整に使うツールの組み合わせ
乱数調整は大きく「初期シード特定」「目的の消費数の特定」の2つに分かれます。前回の記事では紹介した「1-Star Seed Search」では、これら2つを1つのツールで完結できるので、初期導入としては比較的簡単です。
一応、下記の2パターンがおすすめです。お好きな方で実施ください。前回の記事(Arduino自動化05) では下記1を採用しています。
さびたコイル氏の「1-Star Seed Search 」のみ(流れを理解するまではおすすめ)
ぼんじり氏の「SW Seed Calculator 」+夜網氏の「8densearch 」(慣れたらおすすめ)
「1-Star Seed Search」では目標個体検索まで1つのツールで完結する。 「SW Seed Calculator」利用時などは「8denSerach」など別ツールで目標個体検索を行う
「1-StarSeedSearch」を使う場合は、前回の記事(Arduino自動化05) を参考にセットアップしてください。「SW Seed Calculator」を使う場合は、ぼんじり氏のWebサイトから「SW Seed Calculator 」をダウンロードしてください。
原則として、これらは最新版が良いかと思いますが、お好みで決めてください。その後、そのページの手順(ダウンロードリンクの下の方に設定方法載っています)に沿ってセットアップしてください(リンク先に載っているので、本稿ではセットアップ方法は割愛します)。
この記事では補完記事としての側面から、初期シード特定にはSW Seed Calculatorを利用します 。
【ここから本題】乱数調整でArduino 自動化できる2つの手順
ここからが本題です。
前回の記事 でも紹介した通り、乱数調整の手順は大きく4つです。
この中でArduino による一部自動化ができるのは下記2と3、2つの手順です。
準備(目当ての巣穴を見つけてねがいのかたまり投げ入れる)
乱数調整(日付回してポケモン 捕まえて初期シードを特定する作業 )
乱数消費(目標の日付に向かって何度も日付を変更する作業 )
捕獲(お気に入りのボールで捕まえる)
ここからはまず、この「初期シードを特定する作業」について 紹介をします。
1.準備(目当ての巣穴を決めて「ねがいのかたまり」を投げ入れる)
まずは、レイド乱数調整に挑戦する巣穴を決めましょう。
具体的には、ポケモン 徹底攻略の「レイドバトルのポケモン一覧 」などから、欲しいポケモン のいる巣穴を探します。もし、乱数調整ツールに前述の「SW Seed Calculator」をお使いの場合は、右上の「巣穴マップを開く」から巣穴を逆引きできますので、必要に応じてご活用ください。
巣穴の場所は「ポケモン徹底攻略 (左)」や「SW Seed Calculator (右)」などで調べよう
余談ですが、DLC 冠の雪原の巣穴で出てくるポケモン は夢特性 が固定されるので、それが気になる人はガラル本土で探しましょう。
さて、今回は、色違いが金色で美しい、チルタリス を狙って行きます。チルタリス は様々な巣穴で出現しますが、今回は「ボールレイクの湖畔 D」の巣穴を目指します。
まずは、目標の巣穴に向かおう
巣穴について、狙うポケモン によっては(例えばキョダイマ ックス個体など)、いわゆる「レア柱」でないと出現しないことがあります。つまり、目標となる巣穴の場所はもちろん、「通常」「レア」のいずれの柱を建てる必要があるのか も確認しておきましょう(レアの柱とは、通常の赤色の光の柱ではなく、紫色のオーラが出ている太い光柱のことです)。
巣穴前でセーブしておき、「ねがいのかたまり」を投げ入れたらすぐにHomeボタン。 赤色がうっすらと見えていたら即リセットすることで、投げ直し(レア柱厳選)ができる
なお、自分で「ねがいのかたまり」を投げ入れて建てた柱でないと、乱数調整はできません。もし、すでに目標の巣穴に光の柱が建っていても、そのまま次のステップに進まず、日付変更やレイド挑戦などで予め消しておき、必ず自分で建てましょう。
無事に目標の巣穴に光の柱を建て終わったら、念の為、セーブしておいてください。
2.Arduino にプログラム(3日後・4日目用)を書き込もう
さあ、ついに手順の中にArduino が登場しました。なお、本記事は導入記事 でセットアップが完了している想定で書いています。悪しからずご了承ください。
ここから、乱数調整が始まりますが、今からの手順は「初期シードの推定」作業になります。このステップでは、条件を満たすポケモン が現れるまでひたすら3日後(4日目)のポケモン を捕まえてはリセット、捕まえてはリセット、…と幾度となく繰り返し作業が発生します。ここを、Arduino で自動化する準備となります。
まずは、PCで、Arduino IDE を開いてください。そこに、Arduino自動化05記事のソースコード1つ目 をコピペして、検証&マイコン ボードに書き込みを行ってください。
PCとArduino をつないでおき、IDE にソースコード をコピペしてボードに書き込もう
ちなみに、「新しい名前で保存する」ダイアログが出てきたら、半角英数字でファイル名をつけてください。日本語はNGです。
無事にArduino にプログラムが書き込まれたら、Arduino をPCから抜いてください。
3.最初の目標ポケモン を把握する
まずは乱数調整のファーストステップです。ツールを使って、初期シード特定に必要なポケモン (3日後=4日目に出会わなければならないポケモン )を調べます。
「SW Seed Calculator」をお使いの方も、「1-Star Seed Search」をお使いの方も手順は共通です。巣穴情報を入力しておけば、最初に出会わなければならないポケモン はプルダウンメニューの中に出てきます。
※以降、本記事では「SW Seed Calculator」で画面説明をします。
まずは3日後(4日目)に遭遇する必要のあるポケモン を把握しよう なお、「SW Seed Calculator」「1-Star Seed Search」いずれもやることは同じだ
今回の例(ボールレイクの湖畔D・レア/バッジ=8個/ROM=ソード)だと、まずは「★3 アオガラス」「★3 ゴルバット 」のいずれかを見つける必要があることがわかります。これをまずは把握しましょう。
4.Arduino をSwitchに挿し込もう
さて、ゲーム画面に戻ります。ゲーム画面では、巣穴に「ねがいのかたまり」を投げ入れたタイミングで終了していると思います(つまり、Aを押したらレイド募集画面に入れる状態)。この状態のまま、SwitchとArduino を接続してください 。充電しながら行う場合は、先にSwitchをドックに差し込んでから、ドックのUSBポートにArduino を挿し込んでください。
正しく接続されると、勝手に「ゲーム終了→ゲーム起動→レイド調整~日付変更を3回繰り返す→日付を戻して挑戦画面で待機」という一連の流れが行われます。自動操作が止まるまで、放置しましょう(2分半くらい)。
※このプログラムは3日間日付を進めても月をまたがない想定で使っています。注意してください
Arduino をSwitchに接続すると自動で操作される。他コントローラー接続は解除しておくこと
なお、SwitchとArduino を接続する際には、Switchに接続されている有線・無線コントローラーすべて(本体から取り外した状態のJoy-con や、プロコントローラーなどを含みます)の接続を解除または切断 した状態にしてください。
5.自動操作が止まったら、目標のポケモン を捕獲しよう
ゲーム画面の動きが止まったら、画面に映っているポケモン が目標のポケモン だったかどうかを確認します。具体的には、ステップ3で確認したポケモン であればOKです。
今回の例(ボールレイクの湖畔D・レア/バッジ=8個/ROM=ソード)だと、まずは「★3 アオガラス」「★3 ゴルバット 」のいずれかを見つけなければなりませんから、例えば「★4 アオガラス」「★5 クロバット 」などで画面が止まっている場合はNGとなります(★の数も要注意! )。
目標のポケモン ではなかった場合は、目標のポケモン が出るまでArduino をSwitchから一度抜き、挿し直しましょう。
目標のポケモン が出現していた場合には、そのポケモン を捕獲します。
目標のポケモン が出るまでひたすらArduino を挿し直そう
画面が目標のポケモン ではなかった場合、Arduino を挿し直す
画面が目標のポケモン (★も要チェック!)だった場合、レイドに挑戦して捕獲する
6.捕まえたポケモン の能力をツールに入力
捕まえたポケモン の特性・性格・能力値(個体値 )をツールに入力します。
個体値 の計算には、原則としてLv100まで引き上げるだけの「けいけんアメ」や「ふしぎなアメ 」、そして性格補正で個体値 判別が出来なかった場合に備えての「まじめミント」またはドーピングアイテムがあると非常に便利です。
捕まえたポケモン の能力値をツールに入力しよう。アメとまじめミントがあると便利だ
6-1.利用できない個体値 の場合
能力値を入力後、1-Star Seed Searchでは「NG! 」、SW Seed Calculatorの画面で「利用できない個体値 です 」 という言葉がでてきた場合、残念ながら手順をやり直す必要があります。単純にやり直すのではなく、1日日付をずらす必要があります。
個体値 がNGだった場合、再起動して日付を手動で1日進めよう。セーブも忘れずに
具体的な手順としては
一度、ゲームを終了する(再起動する)
巣穴レイドバトル「みんなで挑戦」を選択する
Homeボタン→設定→日付を1日すすめる
巣穴からワットを回収する
セーブする
になります。 セーブまで完了したらまた4~6の手順をやり直します。
6-2.利用できる個体値 の場合
能力値を入力後、1-Star Seed Searchで「OK! Next -> 」、SW Seed Calculatorの画面で「利用可能な個体値 です 」 という言葉がでてきた場合は、おめでとうございます。第1関門突破です。セーブしてはいけません。注意しましょう。
「利用可能な個体値 です」となれば次ステップに進める
利用可能な個体値 だった場合、次の目標ポケモン の指示も合わせてツール上に出てくるので、そちらを確認してください。具体的には、3V, 4V, 5Vなど、次に捕まえるべきポケモン のV数の指定が出てくるので、その数字にあった巣穴のポケモン を捕まえます。
次の目標ポケモン の条件が表記されるので、プルダウンからポケモン 名を確認しよう
なお、詳細な原理については割愛しますが、「SW Seed Calculator」を利用の場合、「4V -> 4連」のように、Vの数と連数が両方表示されることがあります。
この時、もし、複数のV数・連数のペアが表示されている場合は、可能な限り「連数」が多い方のV数ポケモン を捕まえてください。例えば「4V->6連 3V->5連」と表示された場合は、「4V」の方を選択してください。「4V/5V -> 4連」のように、連数が変わらない場合は、どちらでも大丈夫です。
次の目標となるポケモン を把握したら、セーブせずに次のステップに進んでください。
「4日目(2体目)」のポケモン を捕まえる場合、基本的に4~6と同じ手順です。
要するに、「次のターゲットとなるポケモン が出るまでArduino を挿し直す」だけでOKです。ターゲットとなるポケモン が出たら、レイドバトルをして捕獲してください。
基本的に前の手順と同一。指定のV数を持つポケモン を捕まえればOKだ。
これで、最初の日を起算日として、3日後のポケモン 2匹の個体値 がツールに入力された状態となっています。ここまでくれば次の作業も同じ流れ。この調子です。
なお、やはりレポートはしません。要注意です。
8.Arduino のプログラム(4日後・5日目用)に書き換えよう
さて、ここでArduino に話が戻ります。次のステップでは「5日目(4日後)」のポケモン を捕まえる必要がありますので、事前にArduino のプログラムを書き換える必要があります。
具体的には、再びArduino IDE で先程のソースコード を開いて、TIME_WARP _DAYSの(3)を(4)に書き換えてArduino に書き込めばOKです。
#define TIME_WARP_DAYS ( 4 )
この1箇所の書き換えが完了したら、PCとArduino をつなぎ、左上の「検証」「マイコン ボードに書き込み」作業を行ってください。
ちなみに、次に捕まえるポケモン についてはツールの指示通り、基本的には不問ですが、可能な限りVの少ないレイドのほうが望ましいです。特にVの少なさはそっくりそのまま計算速度・精度に比例しますので、もし、マシンスペックが低いPCを使っている場合などは特に気をつけましょう。
次は「4日後(5日目)」のポケモン を捕まえる必要があるのでプログラムを書き換える
続いて、「5日目」のポケモン を捕まえる場合も、基本的に4~6と同じ手順です。ただし、ターゲットは不問となりますので、★の少ないレイドなどを厳選しましょう。要するに、「極力Vの少ないレイドが出るまでArduino を挿し直す」だけでOKです。
同様の手順で4日後(5日目)のポケモン を捕まえて能力値を入力しよう
口酸っぱく言いますが、ポケモン を捕まえた後はくれぐれもセーブしないように注意してください。
10.Arduino のプログラム(5日後・6日目用)に書き換えよう
ここまで読まれた方にはお分かりかと思いますが、次のステップでは「6日目(5日後)」のポケモン を捕まえる必要がありますので、再びArduino のプログラムを書き換えます。TIME_WARP _DAYSを(5)に書き換えてArduino に書き込めばOKです。
#define TIME_WARP_DAYS ( 5 )
11.最後の目標ポケモン を捕まえて個体値 入力
「6日目」のポケモン を捕まえる手順も、基本的に4~6と同様です。★の少ないレイドが出るまでArduino を抜き差しして、目当てのレイドだったら捕獲して個体値 チェックです。
ここで妥協して星5レイドなどで済ませると、SEEDの誤検出のリスクも高くなるため、極力★3レイドなど、V数が少ないレイドを選ぶようにしましょう。ここまでくれば、「SW Seed Calculator」の4項目(ポケモン 4匹分の個体値 ・性格ほか)が埋まっている状態となります。
なお、目安として、この時点でも右下の「誤Seed検出率」が「高」の場合は、素直に最初からやり直したほうが良いです(V数の少ないレイドが不十分だったり理由は色々ですが…)。
同様の手順で5日後(6日目)のポケモン の能力を入力。誤Seed検出率が「低」ならベストだ
ここでも、捕まえてからセーブしてはいけません。くれぐれも気をつけましょう。
12.Seed推定をしよう
ここまでお疲れ様でした。あとは「SW Seed Calculator」右下の「計算」ボタンを押すだけです。
高速なCPU・グラフィックボード(GPU )を備えているゲーミングパソコンなどであれば、「Seedを1個見つけたら終了」の条件下では1分ほどでSeed特定ができます。
再計算回数と目安となる推定計算時間はツール中に記載の通りですので、例えば、再計算5回・CPUのみでの計算をするとこれが4時間半程度かかることがわかります。とにかく、計算が終わるまでは気長に待ちましょう。
SW Seed Calculatorの画面。「計算」を押すと、個体値 から巣穴初期Seedが推定される
※誤Seed検出率が高いと「Seedを1つ見つけたら計算終了」条件だと不適 ※ゲーミングPC(RAM:64GB, CPU: core i9 -10900X, GPU : RTX2080Ti)での等倍速録画
なお、誤Seed検出率によっては、左下の「Seedを1つ見つけたら計算終了」のチェックボックス を外しておくことが必要になります。ただし、計算時間が非常に増えるのでPCスペックと相談してください。
参考までに、筆者環境(かなりしっかりしたゲーミングPC)でチェックを入れて計算すると10秒で計算完了していましたが、チェックを外して「10回」再計算の上限設定だと7分20秒もかかりました。計算時間で見ると44倍です。
まともに考えて、GPU を積んでいないPCだと時間がかかりすぎてしょうがないので、「誤Seed検出率が低であること」を前提とした上で、再計算「0~2」とかが落とし所ではないかと思います。
さて、推定されたSeedが無事に算出できれば、初期シード推定は完了です。お疲れ様でした。なお、この推定シードが複数ある場合には、初期シードを絞り込む作業が必要です 。本稿では割愛しますが、前回記事の手順2-2-1 を参考にしてください。
本稿では、初期シードは0xCBC17754E4E6EA62と特定できたので、次項もその数字で紹介します。
13.目標消費数を特定する
初期シードが特定できたので続いて、色違いのポケモン が出る目標消費数を計算します。目標消費数の計算ツールとしては、夜鯛氏による「8denSearch 」、さびたコイル氏による「1-Seed Star Search 」が主要です。これらの間で機能的な差はありません 。本稿では導入手順については割愛しますが、本当にお好きな方を使ってください。
初期シード特定に使ったツール がSW Seed Calculatorの場合は8denSearchを、1-Star Seed Searchを使っている場合はそのまま1-Star Seed Searchを使うことをとりあえずはおすすめします。
本稿では、初期シード特定にSW Seed Calculatorを使ったので8denSearchを利用します。とは言っても、1-Star Seed Searchでも同じことができるので、ご安心ください。
手順としては、目標消費数を特定するためのツールに、初期シード値、バージョン・巣穴情報ほか、必要事項を入力し、計算を押すだけです。画面は、下記画像を参考にしてください。
「1-Star Seed Search」も「8denSearch」も目標個体の検索ができる
目標の個体の左には、1日目(巣穴に投げ入れた日)から起算して、何日目に色違いが出現するかの消費数が記載されています。これが、十分に小さい数字であれば、その数字を手元に控えて次のステップに進みましょう。今回は、色違いの菱形・星型を特に気しないので、最も消費数が小さい「1108」を目指します。この数字は「1108日後 」を表します。「1108日目 」ではありません。次のステップで重要なので注意しましょう。
14.Arduino のプログラムを書き込もう
次は高速消費のプログラムをArduino に書き込みます。具体的には、前回記事のソースコード2 からArduino IDE にコピペして書き込みます。
ただし、コピペして使うだけでなく、SHOHISUの数字を書き換える必要があります。先程ツールで確認した数字から-3の数字を入力してください。例えば、今回の例だと、1108なので、1105と入力します。ただし、-3だと、消費数と現在日付の関係でずれることがあるので、実際には-10程度で残りを手動でしたほうが良いと思います。
また、ソースコード の作りの甘さもあるので-10くらいでやるのが良い気もします。
このプログラムは31日まである月で使う前提 なので、もしこれがクリアしていない場合は、予め2,4,6,9,11月「以外」に日付を変更しておいてください。
#define SHOHISU ( 1108 - 3 )
なお、このSHOHISUの上限は「32767」となります。もし、32768以上の消費が必要な場合、2回に分けるなどの工夫が必要です。これはArduino 本体の仕様です。
また、プログラムですが、私が横着して作ったプログラムだったので、消費数の内部計算が甘く、実際の消費予定数より少なく消費される仕様になっていたので、55行目を下記のように書き換えると、より消費数が正しく消費できると思います 。
maxlooptime =31 * (SHOHISU/30 ) + SHOHISU%30 ;
本件は、私がExcelで計算して検証した数式なので、誤っている可能性もありますが、筆者は実機でこれでうまくいきました(検証回数:1回)。
これらを自己責任で書き換えていただき、ArduinoIDEでプログラムを書き込みましょう。
PCとArduinoをつないでおき、IDEにソースコードをコピペしてボードに書き込もう
15.ランクマバグ状態にして、Arduinoを挿し込む
さて、目当てのポケモンに向けて消費(日付を進める作業)に移る必要がありますが、まずは、一度巣穴の場所を離れて、ポケモンセンターに移動してください 。
その状態で、いわゆる「ランクマバグ状態」に移行してください。詳細な手順は、前の記事の手順3-1 を参考にしてください。
ランクマバグ状態にしたら、Homeボタンから設定画面に入り、「日付と時刻」から日付の変更画面に入り、日付を更新せずに「OK」を押してください。
この状態でArduinoをSwitchに挿せば自動的に日付更新が始まっていきます。
事前に「OK」を押しておき、Arduinoを指すだけで日付更新(乱数消費)が始まる
16.巣穴に戻り、セーブして準備完了
自動作業が終わったら、前回記事の捕獲パートです。お疲れ様でした。ポケモンセンターから目的の巣穴の目の前まで戻り、セーブしましょう 。
乱数消費が終わったら巣穴まで戻り、セーブしよう
あとは、自身が目的の消費数-3の日付になっていることを確認し、「みんなで挑戦」から3回、日付を変更すればOKです。その際に、目的のポケモンが出たら挑戦してそのまま捕獲、違うポケモンだったらリセットして、目当てのポケモンのシルエットが出るまで3回日付を変更して挑戦を繰り返すだけです。
なお、このとき、目標のポケモンではなかった場合(色違いのはずなのに光らなかった場合)は、一度そのまま捕まえて、それがどの個体のポケモンなのか、該当する性格・個体値のポケモンが目標の個体の付近にいるかをツールで確認してください。
もし、目標のポケモンよりも手前(上側)のポケモンが出現している場合には、日付を回す回数をそのズレ分だけ実施すればOKです。なお、目標ポケモンよりも下側だったり、そもそも付近にそのポケモンが見当たらなかった場合は、手順1からやり直しとなります。前者の場合は消費が大きすぎる、後者の場合はそもそも初期シードの特定に失敗しています。めげずに確認してみましょう。
3回日付を回して、目当てのポケモンが出たら挑戦しよう
17.捕獲しておしまい!
目当てのポケモンに、任意のボールを投げて捕獲できれば完了です。お疲れ様でした。
色違いが捕まえられたら完了だ。お疲れ様でした
あとがき
本稿では、前回記事では必要最小限に留めていた「Arduino Leonardoを乱数調整のどのタイミングで使うのか?どのタイミングでプログラムを書き込むのか?」に焦点を当てた補足記事を書きました。
基本的には最小限のプログラム書き換えで済むことや、Switchとの接続タイミングが何となくお分かりいただけたかと思います。
もし、前回の記事で「Arduinoと乱数調整が結びつかない!」となっていた人にとって、この記事が参考となれば幸いです。
ではではc⌒っ.ω.)っ
前回記事(本補足記事の対象):
【Arduino自動化05】乱数調整レイドで色違いパッチルドン探し【冠の雪原】
次の記事:
【Arduino自動化18】ローカルレイド自動配布【デリバードレイドでマックスこうせき】
導入記事:
【Arduino自動化01】Arduino開発環境の導入